オーガニック養蜂における様々なダニ対策
引き続き、スイスのオーガニック農法研究所(http://www.fibl.org/)が発表している資料"Maitriser la varroase en apiculture biologique"をまんま翻訳してます(このブログが記事のラスト!)。
様々なダニ対策
スイスのオーガニック養蜂で可能なヘギイタダニ対策には、以下のものがある。
繁殖期の対策
蟻酸による集中処置と長期処置がある。
長期間の処置については、使用が認められたディフューザーがいくつかあり(FAM-Liebefeld, Whyna-Deluxe, Apidea,Burmeister, Kramerplatteなど)、養蜂道具店で購入可能だ。必ず使用法をまもって使用しなければならない。
集中処置では、1週間に2-3回対策を行う。
スイス式巣箱の上から作業をおこなう場合、15cmx20cmのビスコース製のスポンジに20〜30mlの濃度60%のギ酸を染み込ませて、直接巣の中に入れる。
巣箱に蜂児がいない冬季の対策
冬季(11月、12月)は、しゅう酸による対策が推奨されている。液体噴霧、滴下、気化噴霧の3つの方法がある。
液体噴霧は、分割可能な巣に適していて、滴下は無卵期の巣に対して一回だけおこなうこと。液体噴霧と気化噴霧は、必要に応じて2回行ってもよい。
乳酸は、液体噴霧することでシュウ酸の替わりに使うことができる。しっかりとした効果を得るには2〜3回作業を行う必要がある。
重要: 蜂児がいない状態で処置を行うこと。そうでないと十分な効果が得られない。
生物工学に基づく対策
オスの蜂児圏のカットはヘギイタダニの寄生を減らすのに有効な方法です。ヘギイタダニの数を減らすことはウィルスを増殖を減らすことにもつながる。オスの蜂児圏カットだけでは、ヘギイタダニを減らすことができない場合は、同時並行の対策(例えばギ酸を使うなど)を行うとよい。
今後の見通し
オーガニック養蜂において有機酸をつかうことはヘギイタダニ対策として現在は非常に有効であるが、過渡期の一過性のものであると認識しておく必要がある。こうした製品はどれも、みつばちのコロニーのような超個体にとって、有害になりうるからである。
養蜂のやり方自体を見直すか、オーガニック養蜂のあたらしい方法(フェロモン、拮抗剤など)を見つけることで、有機酸の使用を中長期的に控えていかなければならないだろう。
~出典は以下のとおり~
出版
オーガニック農法研究所(FiBL)
Ackerstrasse 113 / Postfach 219
CH-5070 Frick
Suisse
Téléphone +41 62 8657-272
Fax +41 62 8657-273
www.fibl.org
著者
Thomas Amsler (FiBL)
Lukas Schmid (Syngenta/FiBL)
校正
Jean-Daniel Charriere (ALP)
Anton Imdorf, Muhlethurnen
オーガニックな養蜂技術や機材・道具について聞きたい、調べたい、買いたい方は、
株式会社Bee Brandのビーまでご連絡。調査は、無料で行っています。
メールは consultante.en.mielアットマークgmail.com
まで、おねがいします。
このブログの更新はこちらからチェック!