ダニ対策の年間計画
スイスの養蜂研究センター(Centre de recherches apicoles ) が公開している、Guide de la Sante de l'abeille(みつばちの健康管理ガイド) という、みつばちの病気対策やダニ対策をまとめた指南書があります。
(https://www.agroscope.admin.ch/agroscope/fr/home/publications/recherche-publications/cahiers/series-%20jusqu-2013/alp-forum.html)(※仏語、独語、伊語で翻訳されています)
オーガニック養蜂の病気対策の集大成のようなもので、これを今回はご紹介します。
全文を読んだら勉強になりそうなので、今後、折を見て全文翻訳したいと思うねんけど、今回はダニ対策の章で大事そうなところだけさっと要約してみました。年間のダニ対策計画を練るのに少しでも役立つことを願っております。
第3章ダニ対策について
養蜂研究センター(以下CRAとする)は、ダニ対策のコンセプト、ダニ対策の指針をきちんと立てることを推奨する。具体的には、有効性、副作用の有無、はちみつやみつろうへの残留の有無について過去に科学的な試験が行われたことのあるメソッドから自分にあったものを選び、年間のプランを立てること、そして、年間をとおして継続して実施することである。
ダニ対策の指針
ダニ対策は、シーズン初めはダニの増加を抑えるのが目的で、シーズン終わり(8月9月)は冬のみつばちを健全に保つことにある。冬のシュウ酸対策は、ダニの数を減らし、春にダニの増殖がスタートするのを抑える。冬にダニ対策をしていると夏の採蜜まで他の処理をする必要がないのだ。ただし、ダニ対策を甘んじていた巣箱からダニが発生するといった特殊な場合は、このかぎりではない。リアルタイムで危険を察知するためには、定期的にダニ落下数をモニタリングしておく必要がある。
表2: ヘギイタダニの年間対策
ギ酸もしくはティモールによる8月9月の対策
はちみつの採蜜という視点でみると、8月9月でダニの数は8割~9割程度減らす必要がある。また、近隣の養蜂家と申し合わせて対策を行うことで、再寄生のリスクを減らすことができる。
対策には以下のものがあり、いいものを選ぶと良い。
・ギ酸による長期対策を二回おこなう。一回目は8月上旬、2回目は9月(表3を参照)。
市販されているエビデンスのあるディヒューザーを使う。容量及び処理方法は、メーカーの取扱説明書に従うこと。
・8月、9月にギ酸を使ったスポット処理を、2回~3回行う(表4を参照)。
容量や処理方法については、養蜂研究センター(CRA)の発行した資料"バイオ科学的方法と併用するギ酸処理*"を参照ください。※"バイオ科学的方法と併用するギ酸処理"は、次回翻訳します。
・ティモールを使った処理は6~8週間かけて行う(表5を参照)。市販のティモールを使う。容量及び処理方法は、メーカーの取扱説明書に従うこと。
※注意:ここで紹介している手法はすべてスイスの複数の地域で試験されたもので、スイスの気候に適した内容です。スイスの気温と湿度を知るためのURLを貼り付けておきます。
(http://www.temperatureweather.com/alps/weather/en-weather-in-switzerland-bern.htm)
スイスのベルヌの場合、
8月の最低気温、最高気温と湿度:11℃、23℃、74%
9月の最低気温、最高気温と湿度:9℃、19℃、80%
10月の最低気温、最高気温と湿度:7℃、15℃、83%
11月の最低気温、最高気温と湿度:1℃、8℃、84%
12月の最低気温、最高気温と湿度:0℃、3℃、85%
※表3は、ギ酸による長期処理をメインにした場合の年間のダニ対策、表4は、ギ酸によるスポット処理をメインにした場合の年間のダニ対策、表5は、ティモールをメインにした場合の年間のダニ対策が書かれたものです。
表3
表4
表5
表3~表5の内容なんやけど、今回は有料で翻訳させてくださいい。ご希望の方は、こちらから申し込んでね。
価値のある内容を提供できてるのか知りたいというのもあって有料にしてみたんやけど、今後はこういうことはあまりないと思います。引き続き、みんなの役に立てるようにいろいろ考えてるんで楽しみにしていてください(^^♪