みつばちのダニ対策 blog

西洋みつばちを飼う方が悩まれるダニ対策情報をアップしてます

VSH(ヘギイタダニ感受性衛生)行動 -- 超長い記事の一部です--

4月にフランスで出会った養蜂家(ジュリアンペラン氏)の記事を紹介します。

ジュリアンさんは、ダニに耐性があり、ほぼ分蜂しない性質の群を選別し、そうした性質の女王だけを作っています。週に200匹の女王を作り、販売していますが、その性質が評価され、交尾後の女王は同国内でも最高値で取引されています。

そんな定評のあるジュリアンさんの養蜂を学ぼうと、フランス全土から訪れる人、研修を希望する人が絶えません。

 

彼はもともと生物学者だったこともあり、日々調べたり研究した内容を記事にしています。今回はミツバチが持っている防衛行動について、まとめられた記事(30ページ以上にわたる超大作)、今回は書き出しの部分だけをのせておきます。

こういった内容にもし興味があったら、最後に教えてください。(アンケートをつけています)

 

ヘギイタダニは1970年代にヨーロッパに入ってきました。このダニは、みつばちの成長段階で血リンパを吸うため、群を弱らせます。また、同時にみつばちを病原性のウィルスにも感染させてしまいます。こうした感染を最低限にとどめるため、短期的な解決策、ダニ処理を行ったり、オス蜂の巣をカットしたり、はたまた分蜂させたりするなどといったことをやってきました。しかし、こうした技術を使ってもみつばちがこの疫病に適応することはありません。というのは、ダニに耐性のないコロニーも生存し続けてしまうからです。ですから、みつばちの自然な防御行動を理解し、そのような行動をするミツバチを見分け、増やすことが重要です。

この方法が、最も持続可能かつ健全な長期的対策といえます。

 

この記事は、みつばちの防御行動の一つ、VSH(ヘギイタダニ感受性衛生)をまとめたものです。

 

次の表はドイツのゲネルシュで行われた試験のもので、カーブは、最後が増加する形の論理演算のカーブに似ていることがわかります。死亡率は60%のところで平らになっており、30匹~80匹のダニが寄生しているラインにあります。そして最初のカーブは、指数関数的増加を示しています。(*指数関数的増加は、ある量が増大する速さが増大する量に比例する現象のことであるとwikipediaにのっていました)

 

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 図表5.冬のコロニーの死亡率とみつばち100匹に対してヘギイタダニが寄生した数の相関関係

 

この表から、ヘギイタダニは、群の生存にとって大きなインパクトがあることがわかります。この寄生虫からミツバチを保護するための策を考えなければなりません。先ほども述べた通り、ギ酸やシュウ酸を使った短期的な対応策では、長期的に考えた場合にかならずしもいい結果をもたらすとは限りません。ミツバチがヘギイタダニに耐性をもつことにはならないからです。そこで、ミツバチがヘギイタダニに対して取る防御行動を知り、それを見分ける必要があります。この記事では、VSH(Varroa Sensitvie Hygiene ヘギイタダニ感受性衛生)行動について扱います。まずはじめに、VSH行動におけるみつばちの生態について説明し、それからコロニーの中でどうやってそれを見分けるのかを説明します。

 

目次

 

1. VSH行動における生態

 

1.1 ダニの増殖を抑制する:SMR (ダニ繁殖抑制)

 

1.2 SMRからVSHへ。VSHは、清掃行動

 

1.2.1 ダニの系統の重要性

 

1.2.2 掃除行動が繁殖力に影響を与える

 

1.2.3 育児房を使った実験結果

 

1.3 VSH行動:ヘギイタダニをターゲットとした掃除行動よりも複雑

 

1.3.1 3時間でみられるVSH行動

 

1.3.2 1週間でみられるVSH行動

 

1.4.  繁殖行動をするヘギイタダニの検出

 

1.4.1  ヘギイタダニの動きを見分ける

 

1.4.2 ヘギイタダニをにおいから感知する

 

1.4.3  ヘギイタダニとその成長段階を見分ける

 

1.5  VSH行動と雄ばちの巣房

 

1.6 遺伝子および分子レベルで見たVSH行動

 

1.6.1 VSH行動には遺伝的性質がある

 

1.6.2 VSH行動: 劣性、優性もしくは相加(?)

 

2. コロニーのVSH行動を見分ける

 

2.1  VSH行動のあるコロニーの最初の選別

 

2.1.1 巣蓋が外されたさなぎの割合

 

2.1.2 感染した育児房の蓋が2時間で外された割合

 

2.1.3 再度蓋がされた巣房の割合

 

2.1.4 冷凍された巣房の掃除

 

2.1.5 ダニの自然落下数

 

2.1.6 みつばちの体にくっついたダニの数をチェック

 

2.2 おそらくVSHだろうと思われるコロニーをテストする

 

2.2.1  VSHを見極める古典的なテスト

 

2.2.2 感染した巣房のチェック

 

結論

 

以上、

こうした技術や、VSH行動の群を作れる女王の購入について、もし興味があったら、聞かせてください。以下より、アンケートに進んでいただき、ご回答くださるとうれしいです。よろしくお願いします。

アンケート内にメールアドレスを記入する際には、gmailのアドレス(いわゆるパソコンメール)から受信できるアドレスを記入してください。(弊社からのメールが送れないケースが発生しています)

 https://docs.google.com/forms/d/1K_JlpWJ4ypDv9Tzeh3q25YHMCXYCpqfGHghx-Z7LgCM/edit

 

 

なお、オーガニックな養蜂技術や機材・道具について聞きたい、調べたい、買いたい方は、株式会社Bee Brand 香川までご連絡ください。
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解決策2:巣箱を救済するには磁石

ヤニックさんのブログです。つづきます。

 

(養蜂家は、多数の技術や作業を掛け合わせてみつばちを管理しているわけなので、磁石ですべてが解決するみたいな表現は誇張だとは思いますが、 それでも意味があると思い、掲載しています)

 

解決策2:巣箱を救済するには磁石

 

巣箱に磁石を設置すると、はちみつの生産高は2倍になり、それまでと比べて群を失う確率が半分になりました。

 

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期待できる体験談

 

証言の一部:「磁石を試しに3年間つけていたら、はちみつの生産高は倍に、群を失うことはなくなりました。磁石をつけなかった群は、半分以上失ってしまいました。」

巣箱に対する磁気治療の効果は、2010.5月に養蜂誌“花とみつばち”で紹介されました。著者はJacques Kemp。その内容はとても面白くどうして巣箱を守ることができるのかを説明しています。その結果には目を見張るものがありました。


こんなことが書かれています:

 

エドワール ストルツペック氏は、多くの養蜂家がそうであるように群が危機的な状況にあり、悩んでいました。彼は彼自身の体に治療用の磁石をつけていて、巣箱にも磁石を使ったらいいのではないかと思いつきました。そして、巣箱に磁場を作ったのです。磁石の引き寄せる向きで、巣箱を挟みました。

 

実験は50個の巣箱で3年にわたって行われました。結果は大成功。群を失うことはほぼなくなり、つまり皆無で、一群あたりのはちみつの採蜜量が2倍以上になりました。


磁石をおいてから、もはや給餌をする必要がなくなり、秋でも十分な量のはちみつがあり、また、冬の終わりには、コロニーのミツバチの数が増加していることがわかりました。この結果を受け、記事によると、パリ地域養蜂家組合は2010年に1000個以上の巣箱に磁石を設置したそうです。

 

この方法を発見したのは、エドワール ストルツぺック氏なのですが、実は最初の発見者ではなく、

その数年前にアメリカの養蜂家が発見していて、巣箱の健康状態やはちみつの生産高を改善するとして特許もとっていた方法です。


エドワールはどうやって発見したのか?多くの人がそうであるように、彼も身体の痛みがいくつかあり、それを和らげるために、痛みのある場所に磁石を置いて磁気治療をしていたんです。

 

そしてそれを“わたしにも良いのだから、おそらくみつばちにとっても効くんじゃないか。”と思って、巣箱にもつけてみようと考えたのです。

 

彼の巣箱は、数年前から次第に元気がなくなり、世話をしているのにもかかわらず毎年群を失っていました。最後には2群だけになり、かれは真剣に養蜂をやめようかと考えていたといいます。

しかし、すべてはかわりました。彼の巣箱に磁石を付けてから、みつばちはとても元気になり、失うことはほとんどなくなりました。はちみつの収量は2倍以上になったというのです。そして秋口には十分な貯蜜があるため、給餌をする必要がなくなり、冬の終わりにはミツバチの数は十分に混みあっていたそうです。

組合長のJacques Kemp氏によるとエドワールを何年も前から知っているが、世界一正直な人で、つまり絶対の信頼をおいている人物と言っています。

 

最初に実験したときには、エドワールはその結果についてだれにも話さなかったのです。頭がおかしいと言われるのが怖かったそうです。


そのことを組合長に話したときは、遠慮がちでした。
ジャックはいいます。“その年、組合の中では多くの養蜂家が群の半分を失ったり、人によってはもっと失っていた中で、彼の群があっと驚かされるくらいに好調であることを聞き、ここに何かあるなと確信したんだ。”

 

数々の試みが失敗に終わっていた中で、巣箱への磁石利用が徐々に影響力を持ち始めていったのです。

50個以上の巣箱に磁石をつけたほかの養蜂家たちも、同じように目を見張るような結果を出していました。

 

磁石を巣箱につけるとどんなメカニズムでこのような結果が出たのかという説明

 

2010年3月の”Abeilles et fleurs”(養蜂誌)に掲載された記事には、電気・電子機器の技術者が彼らの仮説を次のように述べています。

 

「“磁石”についてのわたしの考察ですが、われわれはあらゆる周波数の交流電磁界に囲まれて生活しています。つまりこの磁界は弱いわけですが、比較的強い直流磁界を与えると、ふり幅のある直流磁界ができるわけです。直流磁場は、移動している状態でdelta Tに応じて抗電力を生じるのです。ところが、巣箱の中は、みつばちが歩き、ゆっくり移動している(delta Tが大きい)ので、変動する直流磁場が彼らのシステム(彼らの体内にあるマグネタイト、生物磁気)にほとんど影響を与えないはずなんです。なので、わたしにとっては磁石を注文して巣箱につけるなんていうのは宝くじを買うようなものだと思います。」

 

「巣箱に付けた磁石はみつばちの脳にあるマグネタイト(生物磁気)を混乱させ、みつばちが外部の不安定な電磁波を感じられなくなり、ある意味“禅”の状態になり、仕事のことしか考えられなくなるのでしょう。だれが巣箱を鋼鉄のケースに入れる経験をしたいでしょうか。小さい穴が出口にあるだけの。巣箱の内部では一切の電波磁波がないのでしょう。バリアのはった樽をかぶせることがそんなに良いことでしょうか?」

 

しかし、結果はそこにあります。どんなメカニズムなのか完全にわからなくても、結果はポジティブなのです。二つの磁石を巣箱の側面に設置することは、単純でほとんど費用がかかりません。

 

エドワールが最初に使った磁石はフェライト磁石で、そのサイズは60x20x15mmで3800ガウスので、弱い磁力です。フェライト磁石は冷蔵庫に貼りつけるデコレーションやメモを貼り付けるのに使うものでこれ以上身近なものはないのです。

 

 

どうやって巣箱に磁石をつけるのか?

 

磁石は巣箱の正面の半分と1/3の高さで、中心に設置します。最初の磁石は、磁石のN極を巣箱の側面に設置し、もう一方の磁石のS極を反対側の巣箱の側面に設置します。こうすることで、巣箱の内の長さ分の距離をとって磁石が引き合う形になります。

 

個人的には、地磁場に合わせる形で磁石を設置することをおすすめします。つまり地磁場の方向と磁石の向きを合わせるということです。外部の不安定な電磁波を避けるためです。

 

地球の地理的な北は、地磁場の南 なので 方位磁石が北を指す場合、実際には地磁場の南もしくは磁石のS極を指します。磁石は常に引き合う方向で設置し、また地球は磁石のようなものなので、磁石のN極は、地理的な北つまり地磁場の南に向けて設置します。

 

もしその方向が間違っていたとしても、たいした問題ではありません。これまでわたしの知っている限りネガティブな結果になったことはないからです。向きを適当にしてしまっても問題はありません。

それでも結果はでます。正しい方向に置くことのほうがよりロジックで良識的といえます。

 

こういった配置で磁石をおくと巣箱の中に磁力の流れを作ることができます。

 

磁石は、ビスで留めるかもしくは木枠のケースに入れて設置することができます。リング型の磁石を使う場合は、リングの中心をビスで留めるだけで問題ありません。

 

また、磁石は強粘着のテープで留めることもできます。また、2か所で留める又釘(ホッチキスのような形になっていて二か所で留められる釘)を使って、磁石を固定することもできます。

 

試して効果を検証したら、ギアを入れる

 

2012年に何千個もの巣箱に磁石が設置された?2010年と2011年に私は数千個の磁石を納品し、数千個の巣箱に磁石がつけられたと言えます。

 

証言のフィードバックはたいていの場合、ポジティブで、この記事が発表されて以来、多くのプロの養蜂家に広まり、彼らの間で磁石を配ることもありました。

 

その記事によると、SIARP養蜂家組合は、養蜂センターのメンバーおよび、組合および養蜂学校の希望者の巣箱500個分にあたる1000個以上の磁石を注文したとのことです。

 

組合長によると2010年には少なくとも1000個の巣箱に2000個以上の磁石をつけることができるとしています。

 

すでにパリ地方では50個以上の巣箱で試した結果が出ていて、それはポジティブなものでした。

 

磁石をつけると、ミツバチは満たされるのでしょう。養蜂家からみても巣箱の調子がいいのがわかるのです。

なんせここ数年多くの養蜂家にとってみつばちは危機的な状況にあったのですから。磁石を使った試みは、良いタイミングだったといえるし、一人以上の養蜂家を救うことになるでしょう。

 

みつばちの衰退はどのように説明できるのか?

 

記事によると”原因は多岐にわたる”と書いてあるが、それでは十分とはいえません。

わたしは多岐にわたる原因もケースバイケースで異なると思っています。90年代から電磁波が急激に増え、一滴の水だったものが今や花瓶をいっぱいにし、あふれてしまいました。そこへさらにみつばちの巣をむしばむものが加わり、その中にみつばちは暮らしています。

 

主な原因はおそらく農薬の使用にあります。みつばちは直接農薬に殺されなくとも、ひどく衰弱します。そのため、ほかの原因となるものにもデリケートになり、死をもたらされるのです。みつばちを混乱させるものにあらゆる種類の電磁波があるのですが、これは意見が別れるところです。

 

みつばちは打撃を受けています。農薬では死ななくとも、電磁波によって被害を被るのです。

 

地磁場と磁石とみつばち

 

非常に小さな生物磁気がみつばちの頭にはあり、この磁気は磁気に対して敏感な物質です。みつばちは、あらゆる電磁波に対して敏感です。

 

巣箱の両サイドに磁石を置くことで、巣枠10個入りのDadant式巣箱の中心に10ガウスの定常磁界を作ります。この値は、巣箱の内壁に近づけば大きくなり、60x20x15mmの磁石で3800ガウスになります。

 

この値は約0.5ガウスの地磁場より大幅に大きい。科学者によると、我々をとりまく自然の磁場は2.5~5.5ガウスと言われています。

 

巣箱に設置した磁石は、数ミリガウスしかないようなあらゆる種類の電磁波が伝わるのをふせいでくれます。みつばちを混乱させるような外部の電磁波から守ってくれるのです。

 

みつばちが穏やかにいられるよう、盾となり、通常は邪魔されずに働くことができます。

 

農薬の害から逃れることはできませんが、磁石がみつばちを強くし、より耐性をもつことができれば、一部の有害な電波から守られます。あらゆる打撃に対して強くなり、耐性を持つのです。

 

地磁場は、すべての人類、動物、そして植物にも大きな影響を及ぼしています。エスキモーの人たちは、地理的に北極に近い極地に住んでいるため、非常に強い地磁場にさらされているそうです。そのためより強いエネルギーを受け取り、年間通して厳しい生活環境に耐えられるようになっているのだと思います。

 

磁気治療は、磁石がどのようにエネルギーを与えてくれるのか説明してくれます。多くのスポーツ選手が磁気治療を採用しています。また日本では線維筋痛が、”磁気欠乏症候群”とも呼ばれています。疾患者に磁場を与えると健康を取り戻します。わたしたちはストレスのかかる西洋式の生活により自然の磁場に触れることがなくなっています。このことが私たちの健康不安や現代病を引き起こしているともいえるのです。

 

磁石は水および水を含むすべてのものに多大な影響を与えます。

磁化水は、すべての生命体にとって吸収しやすい水です。

 

温泉水は、源泉から直接のむと非常に体にいいのですが、その効果はひとたび瓶にいれると失われてしまいます。

 

同じ水でも磁化したものとそうでないものとでは大きは違いがあります。同じ違いが山の湧き水と水道水にもみられます。磁化した水はより軽く飲めるようです。より丸いとかよりしみこんでくると言う人もいます。物理的に測ると、表面張力は変わり、水はより浸透しやすくなり、より流動性があることがわかります。これはすべての液体に働きます。ただこの性質は一時的なものでしかありません。瓶に入れて数日保管しただけで、この水の性質は薄まって消えてしまいます。

食品のほとんどは水を含んでいるので、食品も磁気の影響を受けます。

磁化した水と磁化した食品を摂取することでもたらされるあらゆることを想像してみてください。

これはミツバチにも言えることです。巣箱に保管した食料、はちみつ、花粉、蜂パンにも無視できない量の水分が含まれています。

 

みつばちが飲む水が、もし磁化していたらミツバチにも明らかにいい効果をもたらします。巣箱全体が磁化され、水分という水分、幼虫の食べ物、そしてみつばちに至るまでが磁化され、巣箱に良い効果をもたらすのです。

 

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磁気セラピーについて、自分で調べたり、学んだ内容をまとめていましたが、お見せできる状態になりましたので、お知らせします。

こちらよりご購入いただけます。

購入していただくと弊社の収入にもなりますが、無料で情報を提供してくださったヤニックさんにも謝礼をお支払いできるので、タイミングな方はお求めください。

 

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解決策1:寄生虫、ダニ、細菌感染対策には、巣門に銅線

ブログの更新までだいぶ時間があいてしまい、以前なぜ関西弁で書きはじめたのか自分でも理解に苦しむかんじです(汗)。それはさておき、最近、とあるフランス人のおかげで磁石について調べたり勉強することになりました。以下、その方のご紹介です。

 

100年前、20世紀初頭に農薬を使わずに農産物の収量を安定させることができるとした学者、研究者がフランスをはじめヨーロッパで(中にバイオダイナミック農法のルドルフシュタイナーもいた)複数の発明を発表し、メディアでも取り上げられていたようですが、大戦をはさみ、こうした発見はほぼなかったことのようになってしまったそうです(辞書からも消えてしまったと聞きました)。

そうした情報を掘り起こし、中でもエレクトロカルチャー(electroculture)、つまり電気栽培(磁気を利用した栽培方法)に注目した人がフランスにいました。ヤニックヴァンドルヌさんです。ヤニックさんは、100年前に発明された技術および発明品を自ら検証し、研究し、自身の発見も織り込んだ形で現代によみがえらせ、特に農業、水産業(養殖)の分野で利活用させることに成功し、すでに、フランスをはじめ、スイス、ドイツ、オーストリア、オランダ、ベルギー、スイス、イギリス、カナダ、オーストラリア、中国などで、研修およびセミナーを開催し、エレクトロカルチャーを広めています。

 

ヤニックさんのHPの情報は量が多いのと、わたしの知識が未熟なせいもあり、読むにも理解するのにも時間がかかり、目下勉強中なのですが、本当に必要なことはなんなのか本質を追究する姿勢にひかれ、本当にいいものをひろげたい、本当のことを発信したいという気持ちや、費用をかけずにできることを純粋に追い求めているところに共感しました。

 

そんなわけで今回このブログでも紹介します。

ヤニックさんが、養蜂の情報もみずから集め、自分で実験してよかったものを、HP上で公開しています。以下、仏語サイトのほうを翻訳しましたので、本人の許可をいただいて、掲載します。

 

英語のサイトは:https://www.electrocultureandmagnetoculture.com/bee-hive-saving-solutions.html

仏語のサイトは:https://www.electroculturevandoorne.com/abeilles.html

 

 

ヤニックさんは、みつばちの問題も解決できると言っていて、その解決策を提示しています。以下翻訳です。

 

解決策1:寄生虫、ダニ、細菌感染対策には、巣門に銅線

 

ブルターニュの養蜂家が2010年の4月に教えてくれました。「ダニ対策なら簡単に解決できるよ。巣箱の入り口に銅線を貼ってからダニに悩まされなくなくなったんだ。」と。「どうやって?」とわたしは聞きました。「電気用の銅線を巣門の長さ分だけ切り取り、巣門に取り付けるだけ。すると、みつばちはその上を通らなくてはならないから、おそらく銅イオンを帯びて、ダニがいやがるんじゃないかな」と。

 

電気用の銅線を使えばいいんです。ぜひ、試してみて、結果をシェアしてください。

こんなに簡単であれば、やらない手はないのではないでしょうか?

 

下:写真のように巣門板に裸の銅線を取り付けるだけ。こうすることで巣箱をダニから守ります。毎年、紙やすりをかけて、酸化物をふき取り、掃除してください。そうすればまた効果を発揮します。銅は、殺菌性や抗真菌性があることで知られ、みつばちの代謝にとって重要な、微量元素(oligoelement)です。

 

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以上。

 

簡単にためしたら?って書いてあるのですが、銅ってどうなんでしょう?(ダジャレじゃないですw 銅イオンって水が必要?緑青って大丈夫?)と思ったので、弊社でも目下調査中であります。

 

2019.5.20

調査が進みましたのでお知らせです。調べた内容は記事にして、こちらから購入していただけるようになりました。銅を使ったダニ対策を検討されている方に参考にしてもらえるかと思います。

 

 

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バイオ科学的方法と併用するギ酸処理

今回は前回のダニ対策の年間計画というブログの中で

ギ酸処理をする時に守ってほしいことなどは、”バイオ科学的方法と併用するギ酸処理”っていう資料を参考にしてよと書いてあった例の資料を翻訳しました。

表にきちんとまとまっているので、画像保存かスクリーンショットしてもらったらいいと思います。

 

バイオ科学的方法によるギ酸処理

アントン・インドルフとジャンダニエル・シャリエール

スイス養蜂研究所

Station de Recherche Laitieres, Liebefeld, CH3003 Berne

このメソッドによる実験の結果、定期のギ酸処理だけではヘギイタダニの数を十分に減らすことはできず、少しでも寄生し始めれば翌年ダニの数は増え、次回のダニ処理までに危険な状態でいつづけることがわかった。このため、2〜3回の雄蜂カットと同時に巣の一部を取り除く「人口分封」を行い、春季のダニの増加を抑える必要がある。限られた時間で作業が求められるので、このような対策は他の作業と組み合わせて行うことをおすすめする。

ギ酸処理では、少量のギ酸が量の調整がなされることなく6時間〜10時間かけて気化する。初めの方は巣箱内でのギ酸濃度がとても高くなり、6時間を超えると大半は気化してしまっている。処理時間及び容量は外気温や巣箱の構造によってかなりかわってくる。巣箱の上からギ酸処理をおこなう場合には、60%の濃度で、下から行う場合は85%の濃度が必要だ。ギ酸処理は、8月の一週間と採蜜後の9月下旬にわけておこない、1タームごとに2~3回の処理を行う。この条件で効果は95%までみられた。これはギ酸が巣房の中に寄生するダニをやっつけたことが功を奏したといえる。最後の処理から2週間たったときにダニの落下数をみれば成功したかどうか確認できる。このため、巣箱の底を覆う何かしらのスクリーンボトムが必要である。チェックは一週間に一回でよい。もし一日あたり1個以上ダニが落ちているようであれば、シュウ酸もしくは乳酸を使った追加処理を無卵状態の秋口に行う必要がある。このメソッドの6年間の経験では、10月に再寄生が見られなければ追加処理は必要ないといえる。

ギ酸を採蜜後の夏の終わりにのみ使うのであれば、はちみつへの残留するリスクはない。みつばちや女王蜂が死ぬことをさけるため、気温および使用容量を考慮する必要がある。8月の処理の数日前に給餌をしておくのも、この被害を防ぐのに役立つといえる。

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ダニ対策の年間計画

スイスの養蜂研究センター(Centre de recherches apicoles ) が公開している、Guide de la Sante de l'abeille(みつばちの健康管理ガイド) という、みつばちの病気対策やダニ対策をまとめた指南書があります。

(https://www.agroscope.admin.ch/agroscope/fr/home/publications/recherche-publications/cahiers/series-%20jusqu-2013/alp-forum.html)(※仏語、独語、伊語で翻訳されています)

オーガニック養蜂の病気対策の集大成のようなもので、これを今回はご紹介します。

全文を読んだら勉強になりそうなので、今後、折を見て全文翻訳したいと思うねんけど、今回はダニ対策の章で大事そうなところだけさっと要約してみました。年間のダニ対策計画を練るのに少しでも役立つことを願っております。

 

第3章ダニ対策について 

養蜂研究センター(以下CRAとする)は、ダニ対策のコンセプト、ダニ対策の指針をきちんと立てることを推奨する。具体的には、有効性、副作用の有無、はちみつやみつろうへの残留の有無について過去に科学的な試験が行われたことのあるメソッドから自分にあったものを選び、年間のプランを立てること、そして、年間をとおして継続して実施することである。 

 

ダニ対策の指針 

ダニ対策は、シーズン初めはダニの増加を抑えるのが目的で、シーズン終わり(8月9月)は冬のみつばちを健全に保つことにある。冬のシュウ酸対策は、ダニの数を減らし、春にダニの増殖がスタートするのを抑える。冬にダニ対策をしていると夏の採蜜まで他の処理をする必要がないのだ。ただし、ダニ対策を甘んじていた巣箱からダニが発生するといった特殊な場合は、このかぎりではない。リアルタイムで危険を察知するためには、定期的にダニ落下数をモニタリングしておく必要がある。

 

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表2: ヘギイタダニの年間対策


ギ酸もしくはティモールによる8月9月の対策  

はちみつの採蜜という視点でみると、8月9月でダニの数は8割~9割程度減らす必要がある。また、近隣の養蜂家と申し合わせて対策を行うことで、再寄生のリスクを減らすことができる。 

 

対策には以下のものがあり、いいものを選ぶと良い。

・ギ酸による長期対策を二回おこなう。一回目は8月上旬、2回目は9月(表3を参照)。

市販されているエビデンスのあるディヒューザーを使う。容量及び処理方法は、メーカーの取扱説明書に従うこと。

・8月、9月にギ酸を使ったスポット処理を、2回~3回行う(表4を参照)。

容量や処理方法については、養蜂研究センター(CRA)の発行した資料"バイオ科学的方法と併用するギ酸処理*"を参照ください。※"バイオ科学的方法と併用するギ酸処理"は、次回翻訳します。

ティモールを使った処理は6~8週間かけて行う(表5を参照)。市販のティモールを使う。容量及び処理方法は、メーカーの取扱説明書に従うこと。

 

※注意:ここで紹介している手法はすべてスイスの複数の地域で試験されたもので、スイスの気候に適した内容です。スイスの気温と湿度を知るためのURLを貼り付けておきます。

http://www.temperatureweather.com/alps/weather/en-weather-in-switzerland-bern.htm

スイスのベルヌの場合、

8月の最低気温、最高気温と湿度:11℃、23℃、74%

9月の最低気温、最高気温と湿度:9℃、19℃、80%

10月の最低気温、最高気温と湿度:7℃、15℃、83%

11月の最低気温、最高気温と湿度:1℃、8℃、84%

12月の最低気温、最高気温と湿度:0℃、3℃、85%

 

※表3は、ギ酸による長期処理をメインにした場合の年間のダニ対策、表4は、ギ酸によるスポット処理をメインにした場合の年間のダニ対策、表5は、ティモールをメインにした場合の年間のダニ対策が書かれたものです。

表3

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表4

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 表5

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表3~表5の内容なんやけど、今回は有料で翻訳させてくださいい。ご希望の方は、こちらから申し込んでね。

価値のある内容を提供できてるのか知りたいというのもあって有料にしてみたんやけど、今後はこういうことはあまりないと思います。引き続き、みんなの役に立てるようにいろいろ考えてるんで楽しみにしていてください(^^♪

 
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中央イタリアで行ったシュウ酸噴霧器Varroxを使ったヘギイタダニ対策

中央イタリアで行ったシュウ酸噴霧器Varroxを使ったヘギイタダニ対策

出典:https://www.apimondia.com/apiacta/articles/2004/enzo_1.pdf

 

これ、シュウ酸噴霧を行った場合の効果をテストするため、ローマ近くの蜂場で実験を行ったレポートやねんけど、今回はしゃしゃっと要約しましたー♪

このレポートでは、2003年の11月12月無卵期におけるシュウ酸噴霧を行い、その結果としてダニ対策の効果が得られたこと、副作用もなく、みつばちの死亡率においても大きな差異もみられなかったということが報告されてます。

実験ではシュウ酸噴霧前後のはちみつへの残留についても調べられ、報告されています。以下、分析結果を抜粋しておきますねー。

 

表2  各グループから6個のサンプルをとり、残留量を調べたもの。値は、ppm(はちみつ1kgあたりのmg)で、平均値、最小値最大値、std dev(標準偏差)

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グループAで平均値が1.1%、グループBで4.1%が増える結果となったが、残留したシュウ酸の量としては顕著な増加はみられなかった。

 

はちみつにはもともとシュウ酸が含まれていますが、その含有量は蜜源によりまちまちなんです。なんでこのくらい差がでてきてしまうんです。ご参考までに。

 

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夏のダニ対策  一養蜂家の例

イタリアの南部(日中の気温は東京と変わらない場所)でオーガニック養蜂をされている30年のキャリアの養蜂家に、夏のダニ対策について聞きました。

以下訳です。

 

一番巣に負担のないメソッドですが、8月の上旬にティモールとメンソールの抽出液を使って、9月の上旬に3回のシュウ酸処理(8日に一回)を行います。ティモールとメンソールの抽出液はイタリアでは細長い帯のようなものにしみこませたものが販売されています。シュウ酸は、粉末状で販売されているので、水に溶かして使います。
ティモールとメンソールの抽出物を使っている間は、注意深くダニの落下数を数えておく必要があります。もしダニの数が、500を超えた場合には、すぐにシュウ酸をつかわなければなりません。
小規模養蜂家の間で使われている方法の一つに、 女王の隔離があります。
女王は何人かの働き蜂とともに王籠に隔離します。何日かたち、卵が孵ったら、ティモールとメンソールを使った対策をしてください。ただし、スーパーがある場合(採蜜圏がある場合)には、どんなダニ処理も行ってはなりません。
それから、春の繁殖がたいへん重要でそれぞれの巣箱でみつばちの新しいコロニーを少なくとも1つは作ることです。新しいコロニーは何度もダニ対策を施し、古いコロニーをおきかえます。
残念ながら、本当に効果的な方法は編み出しておらず、養蜂家の経験によるところが大きいと思います。
 
以上、養蜂家さんには、無償でご協力いただきました。
(多忙の折に、イタリア語をなんとか英語に訳して送ってもらったので、わかりずらさがあるのはご容赦ください)
 
 
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シュウ酸噴霧による最適なダニ対策 後半

引き続き

スイスはベルヌの、Agrocope研究所、養蜂研究センターのレポート

"Application optimale d'acide oxalique par evaporation"(シュウ酸噴霧による最適なダニ対策) 後半です。 

噴霧器に興味のない方は、どのくらいダニがいたら危険なのか、ダニの数に注目して読んだらおもろいかもしれまへん。

 

 

ガス式シュウ酸噴霧器

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2001年と2003年に、我々は電気もしくはガスで動くシュウ酸噴霧器でテストを行った。その結果Varrox及びVarrexという器具は無卵期のコロニーへのダニ対策に高い効果(95%)があることがわかった。"Isenring"や"Kruso"といったガス式しゅう酸噴霧器は気化したシュウ酸を運ぶのに暖かい空気の対流を利用するタイプで、平均的な、つまり節度のある結果しか得られなかった。一方、ファンが組み込まれたVarrogazというガス式シュウ酸噴霧器(以降OSGと呼ぶ)は、電気式の噴霧器と同じくらいの効果が見られた。

Eduard Fehr(養蜂家)は、経験により、ダクトを二重にし、その間に油を入れて調整している。二重に仕切ることでシュウ酸が急に冷えて、凝結するのをさけることができる。送風ファンが気化したシュウ酸を巣の中に送り込む。この器具の効果を電気式のVarroxと比較して試験した。

 

噴霧器の詳細
タブレット状のシュウ酸をOSGの噴霧室に入れる。噴霧室の開閉レバーがすぐ後ろについていて、自動的に閉まるよういなっている。この部屋の下にヒーターがついていて、ガスで加熱されるようになっている。5分後に、ヒーターの温度は200℃になる。シュウ酸は気化し、発射砲で前に噴射する。発射ダクトは二重構造で、間にオイルが入っている。そして、超過圧力弁で保護されている。オイルがあることで、内側のダクトを急速に冷さず、シュウ酸が凝結しないようになっている。シュウ酸噴霧室の隣に、気化したシュウ酸を巣門に送り込む送風機付きのダクトがある(写真2)。錠剤状のシュウ酸は、ヒーターで2分で気化する。

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写真2 : ファンによるシュウ酸のパワフルな噴射

比較と確認処理のためにVarroxという電気式のシュウ酸噴霧器を使った。この噴霧器を使う場合は(写真3)、巣箱の底に網を貼り、この網の下にダニ用の引き出しをつけ、引き出しの中に噴霧器を入れて使う。

 

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写真3: 電子式シュウ酸噴霧器 Varrox

テスト方法
テストを行うグループはdadant巣箱で10個のコロニーを持っている。9月初めに、FAMディフューザーを使って10日間のギ酸による処理を行った。
シュウ酸処理では、OSGを使う場合は2,4gのシュウ酸(2錠分)、Varroxでは2gのシュウ酸を使い、2004年12月外気温5度〜8度の時に、無王群に処理を行った。OSGでは、巣箱一個あたり2分間、Varroxでは3分間の噴霧をおこなった。そして12月23日に確認処理として全ての巣箱にたいして、Varroxによるシュウ酸噴霧をおこなった。

効果
シュウ酸処理、もしくは確認処理により落ちたダニの数は、有効ダニ数の100%を占めた。OSGによる平均除去率は95%(88.5%〜100%)、比較でおこなったVarroxの処理では91%(58%〜99%)だった。58%という値が出たことで、Varroxが若干劣る結果となったが、このコロニーについては、最後に処理をしたためバッテリがかなり弱くなり処理が十分でなかったということを加味しなければならない。他の9群については平均して95%という結果がでていて、これがこの噴霧器の効果ということが言える。

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 表1:OSG噴霧器とVarroxによる結果(縦軸:処理効果、横軸:巣箱の番号)

この二つの噴霧器は見たところ同じような効果があるといえる。しかし、OSGについては、巣箱に挿入されるダクト部分が、凝結したシュウ酸によって吹口がふさがれることがわかった。これは巣門の高さが低いので、これに合わせて吹口を狭めることによっておこる。この場合、ダクトの入口は定期的にチェックし、必要であれば、清掃しなければならない。

 

シュウ酸処理によるダニの落下数

シュウ酸対策では、8月上旬に一日のダニ落下数に応じて ギ酸を使うか、ティモールをベースとした製品を使って長時間処理を1回もしくは2回行うのがいい。すでに述べたとおり、この時期に行う対策の目的はダニの約80%を抑制することにある。こうすることで、最後の産卵時期のダニの寄生を減らすことができる。冬季にみつばちを健康に保ちたければ不可欠な方法である。

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表2シュウ酸処理および確認処理によるダニの落下数(縦軸ダニの数、横軸は群数)

この研究において、8月上旬のみつばちの群におけるダニの1日の平均落下数は、1.4匹だった(最低0、最高7.4)。このためFAMディフューザーを使った10日間のギ酸処理を行ったのだ。シュウ酸処理の時には、まだ一群につき104匹のダニが落下していた(最低16、最高265)。確認処理の時には一群につき、8匹だった。どの群においても500匹という限界値を超えるには程遠かった。オルタナティブなダニ対策では、確認処理においてダニの落下数は50匹を超えてはならない。我々の結果は、これについてもクリアした。処理効率が58%にしか達しなかったVarroxで処理した一群を除いて。

 

結論
今回の研究で試したガス式シュウ酸噴霧器(OSG)は、非常に高い効果があり、多数の試験がおこなわれたことのある電気式シュウ酸噴霧器に匹敵するといえる。

(以下省略しますが、興味のある方はご連絡ください。)

 

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シュウ酸噴霧による最適なダニ対策 前半

スイスのベルヌにある、Agrocope研究所の養蜂研究センターが発表したレポート

"Application optimale d'acide oxalique par evaporation"(シュウ酸噴霧による最適なダニ対策) 著者 Anton Imdorf, Jean-Daniel Charriere, Rolf Kuhn

 を翻訳しました。

 

時機を得たヘギイタダニ対策は、ミツバチの群を上手く越冬させるために欠かせない。言い換えれば、8〜9月のギ酸もしくはティモール(オルタナティヴな対策)によるダニ対策でダニの数を80%以下にまで減らしておく必要がある。そうでなければ、数は増加し、ダニが繁殖しすぎるとチヂレバネウィルス(DWV)及び急性麻痺ウィルス(1)を撒き散らす可能性がある。こうしたウィルスが冬の間に最も多くの群を消滅させるということが最近の我々の研究(未発表ではあるが)により明らかになった。

 

シュウ酸処理を繰り返すこと

少し前から、シュウ酸処理を複数回にわたって行うだけでほかのダニ対策を何もしない養蜂家がでてきている。表1をみてわかるように、蜂児がいる状態でのシュウ酸噴霧では、ダニの数に対して十分な影響を与えることができない。群に蜂児がいなくなる11月のシュウ酸処理まで実際のところおびただしい数のヘギイタダニがコロニーにはいるのだ。こうしたことが、冬のコロニーにウィルスなどの問題を引き起こしているのである。

 

表1シュウ酸処理後の、ヘギイタダニの平均落下数

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巣箱No.1,2,3については、いずれも一回目のシュウ酸噴霧処理を9月の初めにおこなった。死んだダニの数を数えると、対策はうまくいったような印象を受ける。しかし、10月末もしくは11月上旬の2回目のシュウ酸処理後に落下したダニの数を見ると、一回目のシュウ酸処理が十分でなかったことがわかる。

結果として、冬のみつばちは大量のダニに寄生されることになった。蜂場4では、9月末に一度だけ処理を行ったが、こちらも同様にダニの寄生率は非常に高かった。蜂場5については、Apilife VAR(ティモール)を使った処理が遅く、平均的な結果となった。ティモールでの処理は遅くとも8月中旬には行っていなければならなかった。最終的な目標は11月のダニの数を500以下に抑えることだったが、7群中4群には600~760匹のダニがいた。

 

もしダニの数が8月初旬ですでに多い場合には、十分な数のダニを減らすため間隔をあまりあけずに複数回にわたって処理をする必要がある。表2の二つの例は、シュウ酸滴下の処理を行った結果であるが、1回目と2回目の処理の間で相当数が増え、効果が不十分であったことを示している。結果として、蜂場1では、寄生率が非常に高くなり、秋口にはミツバチの群が大打撃をうけ、10月初めにはすべての群が消滅することになった。Horst Erfurt(3)は、大量のダニに寄生された群は8月に4回にわたりシュウ酸噴霧処理をおこなったにもかかわらず、11月上旬のダニ処理の後にも500匹以上が落下したことを示した。

 

表2シュウ酸滴下を3回に分けておこなったが、ヘギイタダニの平均数は十分に減らなかった。データは、1997年(2)に行った研究結果である。 

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 ダニの自然落下数は処理後2週間の間にみつかったダニの数。(1日あたりのダニの数)

**弱群になり、蜂群が崩壊した。

 

 どのような形であれ、シュウ酸処理を繰り返すのは、たいへんな作業である。しかも、春のはちみつにシュウ酸が蓄積する可能性はまのがれない。今日までに発表され、シュウ酸の残留について書かれたすべての研究は、無卵期の使用にもとづいていて、そういった意味では、はちみつへのシュウ酸の残留はない、つまり、はちみつの自然発生的な含有量の増加はあるものの、不自然なシュウ酸の増加はないと証明されている。しかし、無卵期ではない時期に何度もシュウ酸を使用した場合のはちみつへの残留については研究が行われていない。

 

すべての養蜂家は、みつばちの群の健康に責任がある。冬越しのために大切なのは、可能な限り早くダニの数を減らしておくことである。11月のシュウ酸噴処理の際に一つの巣箱で500匹以上のダニが落下してはならない、もっと言うと、平均して200~300以上の落下がないように巣箱を管理しておく必要がある。

 

文献

(1) Allen M.F,, Ball B.V. (1996) The incidence and world distribution of honey bee viruses. Bee World 77 (3)
(2)Imdorf A., Charrière J.D.(1998) Comment faire face à la recrudescence des Varroa résistants? Revue Suisse d'apiculture 95(5) 157-161.

(3)Erfurt H. (2005) Die Wirkung der Oxalsäure in Völkern mit Brut. Bienenwelt 47 (6) 26-27

 

前半はここまで

つづきますー

 

 

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オーガニック養蜂における様々なダニ対策

引き続き、スイスのオーガニック農法研究所(http://www.fibl.org/)が発表している資料"Maitriser la varroase en apiculture biologique"をまんま翻訳してます(このブログが記事のラスト!)。

 

様々なダニ対策

スイスのオーガニック養蜂で可能なヘギイタダニ対策には、以下のものがある。

 

繁殖期の対策

蟻酸による集中処置と長期処置がある。

長期間の処置については、使用が認められたディフューザーがいくつかあり(FAM-Liebefeld, Whyna-Deluxe, Apidea,Burmeister, Kramerplatteなど)、養蜂道具店で購入可能だ。必ず使用法をまもって使用しなければならない。

 集中処置では、1週間に2-3回対策を行う。

スイス式巣箱の上から作業をおこなう場合、15cmx20cmのビスコース製のスポンジに20〜30mlの濃度60%のギ酸を染み込ませて、直接巣の中に入れる。

 

巣箱に蜂児がいない冬季の対策

冬季(11月、12月)は、しゅう酸による対策が推奨されている。液体噴霧、滴下、気化噴霧の3つの方法がある。

液体噴霧は、分割可能な巣に適していて、滴下は無卵期の巣に対して一回だけおこなうこと。液体噴霧と気化噴霧は、必要に応じて2回行ってもよい。

  乳酸は、液体噴霧することでシュウ酸の替わりに使うことができる。しっかりとした効果を得るには2〜3回作業を行う必要がある。

重要: 蜂児がいない状態で処置を行うこと。そうでないと十分な効果が得られない。

 

生物工学に基づく対策

オスの蜂児圏のカットはヘギイタダニの寄生を減らすのに有効な方法です。ヘギイタダニの数を減らすことはウィルスを増殖を減らすことにもつながる。オスの蜂児圏カットだけでは、ヘギイタダニを減らすことができない場合は、同時並行の対策(例えばギ酸を使うなど)を行うとよい。

 

今後の見通し

オーガニック養蜂において有機酸をつかうことはヘギイタダニ対策として現在は非常に有効であるが、過渡期の一過性のものであると認識しておく必要がある。こうした製品はどれも、みつばちのコロニーのような超個体にとって、有害になりうるからである。

養蜂のやり方自体を見直すか、オーガニック養蜂のあたらしい方法(フェロモン、拮抗剤など)を見つけることで、有機酸の使用を中長期的に控えていかなければならないだろう。

 

~出典は以下のとおり~

出版 

オーガニック農法研究所(FiBL)

Ackerstrasse 113 / Postfach 219
CH-5070 Frick
Suisse
Téléphone +41 62 8657-272
Fax +41 62 8657-273
www.fibl.org 

著者

Thomas Amsler (FiBL)

Lukas Schmid (Syngenta/FiBL)

校正

Jean-Daniel Charriere (ALP)

Anton Imdorf, Muhlethurnen

 

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まで、おねがいします。

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